Far near―忍愛―
「やっぱそうなんだ!ビビってんだ~!幸秀は実は小心者だったんだね~?」
「はぁ!?そんなんじゃねーよ!」
「じゃあ乗ろうよ?次は幸秀の乗りたいのに付き合ってあげるからさ!」
「う……わ、わかったよ。別に怖くなんかねーし!乗ってやるよ!」
なんでこんな所で強がってしまったのか自分でも謎だが、
佐和子はよし決まり!と早速俺の手を引いて軽やかにステップをふみながら、入口に近づいていく。
…あぁ、俺生きて帰れねーかも。
遠ざかりそうな意識を何とかつなぎ止めて、青い顔をしながら俺はとりあえず長蛇の列の最後尾に佐和子と一緒に並んだのだった。
「大丈夫?」
青というよりはもう白に近い血の気の抜けた顔で荒く息をする俺の背中を心配そうに撫でる佐和子。
「ごめん…ここまで苦手だと思わなくて」
しゅんとした悲しそうな顔で申し訳なさそうに謝られると、そんな仕草に弱い俺の胸は急に痛くなって
「べ…つに。さーちゃんのせいじゃ…ない…から」
と不自然に乱れる呼吸に邪魔されつつ、これ以上佐和子が落ち込まないようになんとかフォローを入れた。
しかしぐったりとしながら顔をあげる事すらできないでいるこの姿では、説得力もなにもあったもんじゃない。
やっぱり変な意地はんないでやめとけば良かったかも…。
なんて後悔しても後の祭だった。
「はぁ!?そんなんじゃねーよ!」
「じゃあ乗ろうよ?次は幸秀の乗りたいのに付き合ってあげるからさ!」
「う……わ、わかったよ。別に怖くなんかねーし!乗ってやるよ!」
なんでこんな所で強がってしまったのか自分でも謎だが、
佐和子はよし決まり!と早速俺の手を引いて軽やかにステップをふみながら、入口に近づいていく。
…あぁ、俺生きて帰れねーかも。
遠ざかりそうな意識を何とかつなぎ止めて、青い顔をしながら俺はとりあえず長蛇の列の最後尾に佐和子と一緒に並んだのだった。
「大丈夫?」
青というよりはもう白に近い血の気の抜けた顔で荒く息をする俺の背中を心配そうに撫でる佐和子。
「ごめん…ここまで苦手だと思わなくて」
しゅんとした悲しそうな顔で申し訳なさそうに謝られると、そんな仕草に弱い俺の胸は急に痛くなって
「べ…つに。さーちゃんのせいじゃ…ない…から」
と不自然に乱れる呼吸に邪魔されつつ、これ以上佐和子が落ち込まないようになんとかフォローを入れた。
しかしぐったりとしながら顔をあげる事すらできないでいるこの姿では、説得力もなにもあったもんじゃない。
やっぱり変な意地はんないでやめとけば良かったかも…。
なんて後悔しても後の祭だった。