Far near―忍愛―
◆
「きゃーっ!すごいすごい!あたし遊園地来たの高校の卒業遠足以来だよぉ!」
今日は日曜日ってこともあり、カップルや家族で賑わっている園内。
その中に紛れている俺達も、周りから見たら何の障害もない仲のいいカップルに見えたりするんだろうか?
…するだろうな。
まさか親子には見えないだろう。
「さーちゃん」
人混みの中に走って突っ込んで行こうとする佐和子を呼び止めて、はぐれないようにとその手を握れば、彼女はピクッと身体を震わせて驚いたようにこっちを見る。
「…何か変な感じ」
俯いてボソッと呟く佐和子の耳がちょっとだけ赤くなっていたような気がして、うれしくなった。
来て良かったな。
たまには気分転換も必要なのかも。
最近は凄く切羽詰まってて、心の中のモヤモヤが消えなくて…
いつ取り返しのつかない行動に出てもおかしくないくらいギリギリな毎日を送っていたから
こんなに穏やかな気分でいられるのは本当に久しぶりの事だった。
「ねっ!あれ乗ろう?」
佐和子が指を指したのはアホみたいに高い所から急降下するジェットコースター。
ちなみに俺は絶叫系と呼ばれる類のものは一切受け付けない身体だ。
「…却下」
「なんでぇ?」
口をとんがらせて不満そうにこっちを睨む佐和子。
ちくしょう。
可愛いーな。
「なんでもなの」
「…もしかして、怖いの?」
ギクッ。
からかうように言われて、俺は思わず足を止める。
「きゃーっ!すごいすごい!あたし遊園地来たの高校の卒業遠足以来だよぉ!」
今日は日曜日ってこともあり、カップルや家族で賑わっている園内。
その中に紛れている俺達も、周りから見たら何の障害もない仲のいいカップルに見えたりするんだろうか?
…するだろうな。
まさか親子には見えないだろう。
「さーちゃん」
人混みの中に走って突っ込んで行こうとする佐和子を呼び止めて、はぐれないようにとその手を握れば、彼女はピクッと身体を震わせて驚いたようにこっちを見る。
「…何か変な感じ」
俯いてボソッと呟く佐和子の耳がちょっとだけ赤くなっていたような気がして、うれしくなった。
来て良かったな。
たまには気分転換も必要なのかも。
最近は凄く切羽詰まってて、心の中のモヤモヤが消えなくて…
いつ取り返しのつかない行動に出てもおかしくないくらいギリギリな毎日を送っていたから
こんなに穏やかな気分でいられるのは本当に久しぶりの事だった。
「ねっ!あれ乗ろう?」
佐和子が指を指したのはアホみたいに高い所から急降下するジェットコースター。
ちなみに俺は絶叫系と呼ばれる類のものは一切受け付けない身体だ。
「…却下」
「なんでぇ?」
口をとんがらせて不満そうにこっちを睨む佐和子。
ちくしょう。
可愛いーな。
「なんでもなの」
「…もしかして、怖いの?」
ギクッ。
からかうように言われて、俺は思わず足を止める。