サラリーマン讃歌
第十章
~謝罪~
梓を泣かせて以来、久保とは非常に話辛かった俺は、先週なども必要最低限の会話しかしてこなかった。
梓は久保にはその一件を話していないのか、一切その件については訊いてはこなかった。
しかし、梓の様子がおかしいと嘆くことは先週多々あったのだが、それに構うほどの精神的余裕がまだなかった俺は、久保の話をほとんど聞き流していた。
そして週明けの月曜日、俺は久保にあの件を説明してキッチリ謝ろうという思いを胸に出社した。
朝、俺が会社に着くと既に久保は来ており、自分の席に座り、営業の準備をしていた。
「おはよう」
「あ……おはようございます」
先週からあまり元気のない久保だったが、今日の様子からも、あまり覇気を感じとれなかった。
その原因が自分にあると思うと、罪悪感から俺の心がチクチクと痛んだ。
「今日飲みに行かないか?」
そんな久保の様子と自分自身の罪悪感から、俺は焦ったように切り出した。
「え?突然どうしたんすか?」
「ちょっと話したい事があってな……」
「なんですか、話って?」
「その時に話すよ」
「はあ……わかりました」
朝から詳しい事情を説明するほどの時間的余裕はなかったので、飲みに行く約束だけをとりつけた。
梓は久保にはその一件を話していないのか、一切その件については訊いてはこなかった。
しかし、梓の様子がおかしいと嘆くことは先週多々あったのだが、それに構うほどの精神的余裕がまだなかった俺は、久保の話をほとんど聞き流していた。
そして週明けの月曜日、俺は久保にあの件を説明してキッチリ謝ろうという思いを胸に出社した。
朝、俺が会社に着くと既に久保は来ており、自分の席に座り、営業の準備をしていた。
「おはよう」
「あ……おはようございます」
先週からあまり元気のない久保だったが、今日の様子からも、あまり覇気を感じとれなかった。
その原因が自分にあると思うと、罪悪感から俺の心がチクチクと痛んだ。
「今日飲みに行かないか?」
そんな久保の様子と自分自身の罪悪感から、俺は焦ったように切り出した。
「え?突然どうしたんすか?」
「ちょっと話したい事があってな……」
「なんですか、話って?」
「その時に話すよ」
「はあ……わかりました」
朝から詳しい事情を説明するほどの時間的余裕はなかったので、飲みに行く約束だけをとりつけた。