サラリーマン讃歌
……俺は女子高生に恋をした。
一目惚れだ。
いや、そんな言葉では終らせたくない。
そんな陳腐な言葉では表せなかった。
俺は、ただただ、彼女を見詰めた。
見詰める事しか出来なかった。
とにかく綺麗な子だった。
憂いを帯た感じも、大人を感じさせた。
仄かな香りを残して俺の横を通り過ぎた後も、振り返って彼女を見つ続けた。
彼女は同じブレザーを着た女子高生達の後ろを、真っ直ぐに前を向いて歩いていく。
あの子達と同じ年頃の子とは思えないほど、彼女は大人びて見えた。
プップー!!
知らぬ間に信号は赤へと変わり、車のクラクションが鳴り響いた。
それに気付かぬ程、俺は彼女に目を奪われていた。
「バカヤロー!!邪魔なんだよ!!」
なかなか退かない俺に苛ついた車の運転手が、窓から顔を覗かせて喚いた。
俺を睨み付ける運転手を一瞥すると、漸く歩きだした。
歩道まで渡りきってから振り返り、俺は反対側の歩道に彼女の姿を探す。しかし、彼女の姿を見付け出す事は出来なかった。
その場で呆然としていると、次の信号待ちをしている高校生達が俺を見てクスクスと笑っている。其れほど間抜けな顔をしていたのだろう。
やっと我に返った俺は、ノロノロと駅に向かって歩き出した。
一目惚れだ。
いや、そんな言葉では終らせたくない。
そんな陳腐な言葉では表せなかった。
俺は、ただただ、彼女を見詰めた。
見詰める事しか出来なかった。
とにかく綺麗な子だった。
憂いを帯た感じも、大人を感じさせた。
仄かな香りを残して俺の横を通り過ぎた後も、振り返って彼女を見つ続けた。
彼女は同じブレザーを着た女子高生達の後ろを、真っ直ぐに前を向いて歩いていく。
あの子達と同じ年頃の子とは思えないほど、彼女は大人びて見えた。
プップー!!
知らぬ間に信号は赤へと変わり、車のクラクションが鳴り響いた。
それに気付かぬ程、俺は彼女に目を奪われていた。
「バカヤロー!!邪魔なんだよ!!」
なかなか退かない俺に苛ついた車の運転手が、窓から顔を覗かせて喚いた。
俺を睨み付ける運転手を一瞥すると、漸く歩きだした。
歩道まで渡りきってから振り返り、俺は反対側の歩道に彼女の姿を探す。しかし、彼女の姿を見付け出す事は出来なかった。
その場で呆然としていると、次の信号待ちをしている高校生達が俺を見てクスクスと笑っている。其れほど間抜けな顔をしていたのだろう。
やっと我に返った俺は、ノロノロと駅に向かって歩き出した。