サラリーマン讃歌

「まあ……なんだ……そのよく有ることだよな」

そんな俺に気遣う様に、高嶋は取り繕うように言った。

「やっぱおかしいよな」

予想通りの反応をした高嶋を見て、俺は自嘲気味に笑う。

「いや、おかしくはねえよ。そういう出会いもありじゃねえの？」

急に真顔に戻った高嶋は、俺の目を見据えそう言った。

「まあ、予想外の展開だったから、ビックリしたのはあるけどな」

高嶋は微笑むと、力強く俺の肩を叩いてきた。

「まあ何にしても良かったじゃん。じゃ、直哉はまず、その子を知ることから始めないとな」

「……そうだな」

「なんか協力出来る事があったら言ってくれよな」

「ああ……ありがとう」

だが、彼女が女子高生であると云う事実は伝えることが出来なかった。
これ以上恥ずかしい思いをしたくなかった……