サラリーマン讃歌
俺は心身共にボロボロになりながら、集合場所である公演会場に辿り着いた。

俺が集合場所に着いた時、ほとんどの人間が来ており、何故かその中に久保達も来ていた。

朝から電話を俺に何度もかけたらしいのだが、一切繋らなかったので来たんだと梓が怒った様な顔をして言っていた。

確かに繁華街を歩き回っている時に、何度も電話が震えているのに気付いてはいたが、それどころではなかった俺は全て無視をしていた。

今から、梓が空見子の居そうなところを全て当たって探してくるから、俺は今日の舞台に集中してくれと、それを俺に言いたかったようだ。

久保も高嶋に連絡をとってくれたようで、最悪、新幹線の駅に二人で張り込んででも、彼女を連れてきますから、と俺を励ましてくれた。

確かにこの辺りで新幹線の駅はひとつしかなかったので、上下線ともに一人ずつ張り込んでおけば、空見子を見付けられる可能性は高いだろう。

俺はそこまでして自分の為に動いてくれる仲間達の想いに、感動して目を潤ませた。

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