サラリーマン讃歌
「そういえば、この中に温泉あったよな」
「ありましたね。なんか露天風呂とかもあるみたいですよ」
久保も興味があったらしく、その案内を見ていたようだ。
「じゃ、そろそろおじさんの癒しタイムだな」
先程の梓の言葉を逆手にとって、俺は子供っぽく対抗する。
「温泉やだー、親父くさーい」
案の定、梓はブーブーと反論してくる。
「俺は別にいいですよ」
「流石は久保。じゃ、空見子ちゃんは?」
「私もいいよ。実は結構温泉好きなんだ」
「だって」
頬を膨らませて俺を睨んでいる梓を、勝ち誇ったような顔で見てやった。
その後、嫌がる梓を引きずって温泉の入っている施設へと向かった。