サラリーマン讃歌
~自分の気持ち~
七時ほぼきっかりに待ち合わせ場所に着くと、まだ来ない高嶋を待ちながら煙草を燻らせていた。
「おう。お待たせ」
「遅えよ」
「じゃ、行くか」
案の定、約束の時間に十分程遅れてきた高嶋は、悪びれた様子もなく歩き出す。
ちょうど会社を挟んで俺のマンションと正反対に位置する所に住んでいる高嶋とは、休日に飲みに行く時には会社の駅で待ち合わせをする。
「いらっしゃ…なんだよ、お前らか」
《赤提灯》の暖簾をくぐると、店主であるおやっさんが声をかけてくる。
「今日は暇そうだねえ」
「やかましい。GW中なんだから仕方ねえだろ」
「だと思って、来てやったんだろ」
ビジネス街の中にこじんまりとあるこの居酒屋は、GW中の今日は閑散としていた。
「糞喰らえだよ、ゴールデンウィークなんて。俺にとっちゃあ、ブロンズウィークだよ。クスんで見えらあ」
「面白くねえよ、おやっさん」
常連の俺達には、客に対する言葉遣いとは思えない程、荒っぽい口調で話してくるおやっさんだが、なかなか気のいい男だ。
たまに独りで飲みに来ては、おやっさんに愚痴を聞いてもらったこともある。
「おう。お待たせ」
「遅えよ」
「じゃ、行くか」
案の定、約束の時間に十分程遅れてきた高嶋は、悪びれた様子もなく歩き出す。
ちょうど会社を挟んで俺のマンションと正反対に位置する所に住んでいる高嶋とは、休日に飲みに行く時には会社の駅で待ち合わせをする。
「いらっしゃ…なんだよ、お前らか」
《赤提灯》の暖簾をくぐると、店主であるおやっさんが声をかけてくる。
「今日は暇そうだねえ」
「やかましい。GW中なんだから仕方ねえだろ」
「だと思って、来てやったんだろ」
ビジネス街の中にこじんまりとあるこの居酒屋は、GW中の今日は閑散としていた。
「糞喰らえだよ、ゴールデンウィークなんて。俺にとっちゃあ、ブロンズウィークだよ。クスんで見えらあ」
「面白くねえよ、おやっさん」
常連の俺達には、客に対する言葉遣いとは思えない程、荒っぽい口調で話してくるおやっさんだが、なかなか気のいい男だ。
たまに独りで飲みに来ては、おやっさんに愚痴を聞いてもらったこともある。