サラリーマン讃歌
すっかり忘れていた。まだ高嶋には彼女が女子高生である事を伝えていなかった事を。

「そういう事になるな」

「AHAHAHAHA!!」

「なんで急に外人っぽくなるんだよ」

「あまりの衝撃に俺の脳が耐えきれなかったんだろう」

「訳わかんねえよ」

「AHAHAHAHA!!」

「もうイイって」

当初の俺がそうだった様に、やはりこの年齢差には高嶋もひいてしまったようだ。

「お前にはいつも驚かされるよ」

一頻り笑った後、苦笑しながら高嶋が言う。

「まあな。俺自信も驚いてるよ」

「で、どうなんだ女子高生の反応は?」

「まあ、悪くはないんだけど……」

「けど、何?」

そう言うと高嶋は、ジョッキに残ったビールを飲み干した。

「……俺自信がどうしたいのか判らない」

「また、それか」

少し呆れた様に高嶋は言う。以前相談した時にも、確かに似たような事を言った気がする。

「だってまだ彼女は高校生だぜ」

「だから?」

「だから、って……やっぱ先の事考えたら不安になるだろう」

「それだったら彼女が高校生ってのは関係ないじゃん。誰が相手でも先の事なんか判る訳ないし」

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