サラリーマン讃歌
~熊男~
劇団の稽古は通常土曜の夕方から三時間ほどと、日曜の午前中の週二回のようだ。
公演前などは土日のほぼ一日を費やして稽古に明け暮れるのだが、公演が終わった後などは、軽くストレッチや発声練習などをするだけのものらしい。
俺が観に行った次の日の日曜日が最終日で、その公演後打ち上げがあるらしいので、俺もそれに参加させてもらうことになった。
「じゃ、新しい仲間も増えたし、軽く自己紹介しとくか。直哉はまだ名前とか全然わからないだろうし」
そう言って生ビール片手に立っている、地声がやたらとデカい大柄な男が、座長の田島だった。
彼のその風貌を初めて見た時の印象はまさしく、熊、だった。
大きく突き出たお腹に、まん丸い顔。その顔には無精髭が蓄えられており、身長も180センチを越えていた。
一瞬死んだ振りをしようかと思うくらいの熊っぷりだった。
「どーもお。二の腕の柔らかさは誰にも負けない富樫 亜理砂でえす」
ニコヤかに亜理砂が自己紹介していた。
女性陣の中では最年少でもあり、小柄で森の小動物的な感じがする彼女は、この劇団のマスコット的存在であるらしい。
公演前などは土日のほぼ一日を費やして稽古に明け暮れるのだが、公演が終わった後などは、軽くストレッチや発声練習などをするだけのものらしい。
俺が観に行った次の日の日曜日が最終日で、その公演後打ち上げがあるらしいので、俺もそれに参加させてもらうことになった。
「じゃ、新しい仲間も増えたし、軽く自己紹介しとくか。直哉はまだ名前とか全然わからないだろうし」
そう言って生ビール片手に立っている、地声がやたらとデカい大柄な男が、座長の田島だった。
彼のその風貌を初めて見た時の印象はまさしく、熊、だった。
大きく突き出たお腹に、まん丸い顔。その顔には無精髭が蓄えられており、身長も180センチを越えていた。
一瞬死んだ振りをしようかと思うくらいの熊っぷりだった。
「どーもお。二の腕の柔らかさは誰にも負けない富樫 亜理砂でえす」
ニコヤかに亜理砂が自己紹介していた。
女性陣の中では最年少でもあり、小柄で森の小動物的な感じがする彼女は、この劇団のマスコット的存在であるらしい。