愛奏

ガラガラ━━

開けた瞬間,中は意外にも
騒がしくみんなぎゃーぎゃーはしゃいでいた。


緊張なんてしなければ
よかったなあーと思いつつふと座席に目を移すと
1人の男子生徒が眠そうに
目をこすりながら座っていた。


変な奴…
1人で座ってるとか
寂しい奴だなあ………


とか思っていたら目が
合ってしまった。


思わず目をそらしてしまった。


なんでうちが慌ててんのよ…


てかあいつ誰だっけ?

自分に呆れていても必死に名前を思い出す。


そんなことを考えていたら


「まーちゃんどおしたの?」

「…へ?」

「ぼーっとしてたけど?」

「…ははは
ちょっと考え事しててさあ…」

「さては恋だな」

「は?!何言っ…」


キーンコーンカーンコーン━━


うちの声を
遮るように鐘が鳴った。
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