双子ちゃんの探偵事務所
髪の毛引っ張らなくても……。

むっ! 今オレのことヘタレだと思っ

た? 言っておくけど、オレヘタレな

んかじゃないよ。それに三月の方がヘ

タレだよ!(ヘタレを知らない人はパ

パやママに聞いてごらん)

だってさ…だってさ……ディアおこる

と怖いんだもん。

尋常じゃないよ?

本当に。いやマジで。

そんなこんなで、リビングにたどり着

いたオレ達はソファで寝ているアリス

を発見した。

ディアはアリスを見つけると、小走り

でアリスの元へといった。

そしてその横に陽太、美亜さん、そし

て三月がいた。

「アリスはどうなったの?」

オレはアリスに話しかけているディア

をよそに、そこにいる人たちに聞いて

みた。

美亜さんは左手を頬に当てて、首を横

にふるふると振った。

「命に別条はありません。というか息

とか心臓は動いてます」

続いて三月。

「ったくあほウサギめ。お風呂でのぼ

せる奴がおるか」

次に陽太。

「ですよネ~。アホで大食いなだけで

なく、倒れるとは。ってゆ~か、バカ

って風邪ひきます?」

―バコン―

「お黙りなさい、陽太」

すかさず陽太の頭をハンマーみたいな

物で殴る美亜さん。

そして血を流して倒れる陽太(ウソ)。

「アリスさんは馬鹿でもアホでもござ

いませんわ。それと風邪ではありませ

ん。貧血です」

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