双子ちゃんの探偵事務所
そう、さっきと同じように、今度は美亜さんがオレの後ろに立っていたのだ。

「まさか寝ているアリスさんの写真を撮ろうとしていたんじゃ……」

「まーさか! オレがそんなことするとでも?」

オレは首を横に2,3回ぶんぶんと振った。

「そしてその写真を売ろうとも?」

また、横にぶんぶんと首を振る。

「そうですか。もし写真を撮ったならば、ぜひとも現像してお店のポスターに」

今度は縦にぶんぶん。

「むにゃ……美亜?」

アリスが目を開けた。

「あら、アリスさん。起きていたのですか?」

美亜さんは持っていた鞄とスーパー袋を床に下ろし、アリスに声をかけた。

「今起きた」

アリスは上半身を起こして目をこすった。

「そうだ~、アリスがおなか減ったって~」

オレはアリスにばれないようにケータイをこっそりポケットにしまいながら美亜さんに話

した。

美亜さんは時計を見て答えた。

「あらやだ。もう6時半を過ぎていますわ。早く夕飯の用意をしますね」

そう言って美亜さんは台所についた。

ふう、あっぶね~。もう少しで殺されるところだった。

そう、美亜さんは恋愛事が好きなだけでなく、乙女命! なのだ。

あの時うんって言ってたら……今頃……オレ病院行きだな。

まあ助かったしい~や。にしてももう6時半かあ。

ひまだなあ。

あっお昼寝でもしよっかな。

「ちょっとオレ一眠りしてくるよ」

皆に声をかけ、オレは2階にある自分の部屋へ行った。

-バタン-

「ふう、なんか疲れたな~」

オレはベッドに横になり、目を閉じた。


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