双子ちゃんの探偵事務所
「……カズ」

誰だ? オレを呼ぶのは。

「おい……カズ」

うるさいなあ。

次の瞬間、オレは寿命が7年158日縮んだ。

「おいカズ起きろ!!」

―ガツッ―

「痛ってえ!! 誰だよ、急に殴る奴は!?」

そう、オレが気持ちよく寝ていると誰かが頭を花瓶で殴ったのだ。

「私だ」

「そっか~アリスか~……ってアリス! 今のはちょっと……いやかなり危なかったです

よ?」

オレはじんじんと痛む後頭部を手で押さえながら、アリスに怒鳴った。

「知らん。いつまでも寝てるやつが悪い」

アリスはフンっと言って一階へ降りようとした。

「ほら、行くぞ」

「行くってどこに?」

「はあ? だからご飯を食べに下へ行くぞと言っているんだ」

ご飯? ご飯……ああ、そうだった。

「分かった。今行くよ」

オレはベッドから降りて、1階へアリスと向かった。

「やっと起きたんか。声かけても返事せえへんから、アリス君に起こしに行ってもらった

んだよ」

と、テレビを見ながら陽太が言った。

1階にあるリビングには、オレとアリスを除く全員がそろっていた。

「あれ? 三月と雫さん帰ってたんだ」

オレはさっきまでいなかった三月と雫さんを見て聞いた。

「おお、カズか。今さっき帰ってきたところだよ」

と雫さん。

「同じく今さっき帰ってきたばかりだ」

と三月。

「そんなことより私、おなか減ったわ」

とディア。

「じゃあご飯にしましょうか」

と美亜さんの言葉。

その言葉で、テレビを見ていた陽太はテレビを消して食卓に着いた。

「ほら、カズも座りな」

という三月の声にオレは

「え、ああ、うん」

と答えて席へ座った。

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