赤い鈴
有川さんは、ジッと床に視線を落としながら、ただでさえ低い声をさらに低くして話した。
「でも、なんで小玉さんが? 確かに小玉さんは嫌われてたけど、別に殺されるような事はしてないよ……」
希衣菜が涙声で呟いた。
なんか泣けてきた……。もらい泣きってやつですか?有川さんは、ハッとしたように、
「渡辺さんはなぜ殺人だと分かったのですか?」
「……」
なんだ? 今の沈黙は。
1秒2秒3秒4秒5秒6秒7秒。
「あの…「だって小玉さんは何ヵ所も刺されていたんですよ? それに私が見た限りでは、小玉さんは首が取れかけていました。首の切り口から出ている血液は固まっていました。他の切り口は、血液は固まっていませんでした。おかしくないですか? 自殺だとしたら、自分の力で首を取れるくらいまで切ることは不可能です。それにもし首を切れたとしても、痛さで他の場所なんか切れないハズです」
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