小犬と野良猫
全章
あんたはナマケモノ、とは誰の言葉だったろうか。

母親だったろうか、妹だったろうか、それともクラスメートだったろうか。

まぁ確かにそうだけど、と答えた記憶は残っている。

名前からして俺にぴったりだ。

いやだがしかし、奴らはそれでいいのだろうか。

だってナマケモノだぞ、ナマケモノ。

日本だけの名前だったとしてもあんまりじゃないか。

奴らが何を怠けていると言うのだろうか。

何も怠けちゃいない、むしろ生物としてその職務をしっかり果たして、強く生きているじゃないか。

全く失礼な話だ。
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