Garden-あの日の朝-
その夜から、二年が経った。

兄ちゃんの盗みは、とことんまで酷くなって落ち着いた。

その頃、俺が知った事。


姉ちゃんが
レディースの総長として
悪名轟かせていたこと。


家族に笑顔がなくなった。

夜毎聞こえる、おかんと姉ちゃんの怒鳴りあう声。


「われ母親面しとんなや!うちの気持ちなんぞ、昔から理解しようとせんかったからに!今うちがこうなったんと違うんけ!」


布団に包まって、姉ちゃんがお袋を罵る声を聞いていた。

兄ちゃんは何も言わない。

理解できないのは、俺の方だった。

それが、姉ちゃんが非行に走った原因だなんて知る由もない。


俺が、兄ちゃんが、姉ちゃんを苦しめていたなんて。
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