龍那詩集
花火の空に
心がざわざわしてる
それが騒がしいせいで
打ち上がる音が聞こえない

青くて暗い空の中へ
花火が落ちていく
水たまりに滴る
雨のように

どんなに美しく咲き誇っても
形は涙紋と重なって
最初っから なかっように
残像すら待ち去ってゆく

いつも
言葉が伝わるタイミングが悪い
伝っていく道があまりにも
頼り無いからかもしれない

何度もシャッターを押しても
一番想いが強くなる瞬間を
心に収めるのは難しい

だから君が一つ見逃しでもいいくらい
僕は空に花火をいくつも落とそう
よそ見している 君の心を
小さく揺らすことが出来れば
それだけでも いいから

花火を空に
火薬の匂いが
秋をかすめる
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