PM13:00 2
「せ…世辞ならいらん!」
安藤は、そう言うと更に赤くなった顔を俯かせて、慌てたように自分の弁当箱の蓋を開けてがつがつと食べ始めた。
その姿に、胸をくすぐったくさせながら喉の奥で笑う。
「お前はなんでそう、いつもいつも……!今のだって絶対本心じゃないだろう!」
仏頂面で、そうぶつぶつと言いながら、ご飯をかきこむ安藤。
顎に付いているご飯粒にも気付かずに、黙々と口と箸を動かしている。
……こんな食べ方をする女子高生は、そうそう居ないだろう。
まあ、そんなところもいいのだ。
なんて。
そう思っている自分自身に、呆れた。
否定するのも何だか気が引けて、俺は一人で勝手に怒っている安藤を、そのまま暫く見ていることにした。