PM13:00 2
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「ご、ごめんなさい!私、決してその、二人の邪魔をしようとしたわけじゃなくて、ただ、何かあったのかと心配で…!!」
「うん、いや。分かった分かった。あと、何か勘違いしてるみたいだが、違うぞ」
準備室に戻った私にマシンガンの如く謝罪の言葉を述べる国枝さんの顔の前に、掌を出してそれを制す。
私の言葉にきょとん、と首をかしげた国枝さんに、私は首を横に振った。
「…たぶん、私と七澤は、国枝さんが思っているような関係じゃない」
「え!?付き合ってるんじゃないの?」
「うん、それは絶対に無いな」
ありえない。そう言って再び首を振る。
もし万が一、何かとんでもない事が起こって、やむ終えずそうなったとしても……あの七澤と私では、月とスッポンだ。
「そうなんだ…でも結構、噂になってると思うよ?」
筆を取り、床に広げた巨大な画用紙の傍にしゃがみこんだ国枝さんが、何故か少し残念そうに眉を下げてぽつりと言う。
「ええ!?そうなのか!?」
目を見開いた私に、国枝さんはこくこくと頷いた。