PM13:00 2
―好き?
質問に、思わず笑いが漏れる。
…そんな当たり前のことを、今更。
「だったら何だ」
目を逸らさずに真っ向から向き合う。
五十嵐はまたふふふ、と笑い、そうなの、と零し俯くと暫くして顔をあげ、結局何にも触れないまま伸ばした手を下ろした。
桜色の唇が、動く。
「でも、そう簡単にあきらめるつもりはないわ」
こちらを真っ直ぐに射抜く鋭い視線が、重く心に刺ささり。
朝、教室で言われた言葉が頭の中でこだました。
――私、ずうっと、七澤くんのことを尊敬してて。だから、今回のことも凄く嬉しいの――