PM13:00 2


…な

何だ、今のは。

今日から別々に食べよう?

弁当箱を持つ手に、力がこもる。


――なんでだ。


俺が、そうさせるような何かをしたのか?



そう問いかけて記憶を辿ってみれば、何かがひっかかる。

怪訝に思い探ってみると、頭の中でかちりと、何かがはまる音がした。





鼻をつつく絵の具のにおい。

暗く、誰も居ない美術室。



…俺はそこで、安藤を抱きしめた。


愕然と、した。


腕と胸がしっかりと覚えている感触が、じわじわと胸を侵食していく。

どす黒いそれが、頭のてっぺんから足先までを急速に冷やしていく。



手に持った弁当箱。
去っていった安藤。



それじゃあ、これは






――拒絶。








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