PM13:00 2


たこの形にしたウィンナーを、ほおばる。

次に、卵焼き。

ごはん。


もくもくと口を動かして、飲み込む。

ただ、それだけの作業。


さわさわと風が葉を掠める音だけが聞こえ、あたりはとにかく、静かだった。


今までは、毎日がそうだったはずなのに。

これが普通だった、はずなのに。


空いた隣が

静寂が


物足りなくて

寂しい、と思った。


「……何なんだ、これは」

きゅうっと締め付けられる胸に手を当てて、ぽつりと零した。


こんな痛みを、私は知らない。
< 42 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop