先生、苦しいね


「まぁ、暇がある時なら良いけど…」




先生の言葉を聞いて私は笑顔になった。
きっと先生はそう言ってくれると思っていた。




「それと。あのねぇ、俺は元々メールをする人間じゃないの。嫌なんだよ、親指でピコピコすんのが…」




「うん、でも私はメールする人間だから」




面倒くさそうな顔をして言う先生とは反対に私はニコニコしながら言った。




「今日の夜も…メールしていい?」




少し困ったような、甘えた声を出し先生の茶色い瞳を見た。
先生は頭をポリポリと掻いている。




「あのなぁ…」




「あ、もうそろそろチャイム鳴りそうだから教室に戻らなきゃ」




私は先生の言葉を遮って席を立ち、失礼しましたと一礼して準備室から出た。






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