王様監禁ゲーム。
9≠GAME OVER
もう死ぬ。
そう思った瞬間、警察が来た。
まさに間一髪。
そんな言葉が当て嵌まるな、なんて呑気に思った。
警察に取り押さえられている喜一君は、恐ろしいくらい冷静だった。
笑ってさえいた。
満面な笑みであたしに、
「凛大好きだからね。大丈夫だからね」
それをずっと繰り返していた。
それがかなり怖くて、喜一君が見えなくなってからも、頭から離れなかった。
「大丈夫ですか?」
若い警察の方が、あたしに聞く。
「あたしは大丈夫です。それよりあの男の方はっ……!!」
あたしを命を賭けて助けてくれた人。
その人の安否が一番心配だった。
あたしのその言葉を聞いた警察さんは優しく笑って、
「大丈夫ですよ。少し危険な状態ですが、命には別状ありません」
よかった……
あんなに血が出ていたのに……助かって、よかった……
床に広がる血を見て思った。