王様監禁ゲーム。
大学の講義が終わり、鞄の中の携帯を見ると、メールが来ていた。
あ、喜一君だ。
内容は、会えるか。
ちょうど終わったとこだし、あたしはOKと返事をした。
一分もしないうちに返事がきた。
【じゃぁ、駅前の時計台の下で】
あたしは杏にそのことを言い、ウキウキ気分で待ち合わせ場所に向かった。
なんかこういう気持ちは久しぶりだなぁ。
ドキドキしてる。
さりげなく胸に手を当て、心臓の音を確かめる。
やっぱ、好きなんだ。
喜一君のこと。
改めて実感する。
待ち合わせ場所に着くと、もう喜一君が来ていた。
「遅くなってごめんね」
謝罪をすると、喜一君は優しく笑って
「全然大丈夫だよ。ごめんね、急に会おうなんて」
眉を下にさげた顔見て、あたしは首を横にふった。
「ううん。あたしも会いたかった」
それを聞いた喜一君は、安心した笑顔をした。