王様監禁ゲーム。
【じゃぁ、十二時頃向かいに行くね!!】
返信を済ませたあと、あたしは溜息をついた。
恋する乙女とか、そんな美しいものなんかじゃなく
しいていうなら、憂鬱。
彼氏とデートなのに、嬉しくない。
どちらかといえば、嫌。
彼女であるあたしがそんなこと思うなんておかしいかもしれない。
喜一君はただあたしのことが好きなだけ。
その『好き』が大きいだけ。
言い方を変えれば、異常。
愛情を注ぎ込みすぎている。
独占欲が激しい。
異常異常異常。
その異常が集まって固まったものが、『恐怖』。
喜一君存在そのものが、恐怖。