王様監禁ゲーム。
「凛」
名前を呼ばれ、目を開ける。
いつもなら暗い視界が、明るい。
あぁ、布が外されたのか。
嬉しい気持ちなんてなかった。
見たいと思っていた景色が見えたことで、“恐怖”がくることを知らせていた。
「キスしようか」
優しい笑顔で言う喜一君に、あたしはなにも言わなかった。
触れる程度のキスが、激しいキスに変わる。
漏れる吐息。
漏れる声。
涙を流したいはずの瞳が、なにも流さなかった。
口の中に喜一君の舌が入ってくる。
この舌を噛みちぎってやりたい。
その思いを必死におさえ、ただ終わるのを待っていた。