王様監禁ゲーム。
「こんなことになるなら、凛に新しい恋なんて言って、合コンするんじゃなかった」
杏が小さく呟いた。
「ううん。杏は悪くないよ」
本当に、杏は悪くない。
「凛は、偉いよ。強いよ……」
杏の肩が震えているみたいだった。
泣いてるの……?
「泣かないで……」
そう言ったときだった。
ピンポーン―――――
部屋に甲高いチャイムの音が鳴り響く。
ドクンッと心臓が大きく脈打つ。
全神経が扉へと注がれる。
アイツ……?
「大丈夫。警察だから」
そう言って杏は玄関のほうへ向かった。
覗き穴を見て、杏ははぁと溜息をついた。
「やっぱり、警察だった」
それが安堵の溜息だということがわかり、あたしも肩を撫で下ろした。
ガチャという扉が開く音が聞こえ、こちらへ来る足音も聞こえる。
「凛」
杏に名前を呼ばれ、俯いていた顔をあげた。
―――――――――――――――え?
どうして……?
なんで………?
目が大きく開いたのが、自分でもわかった。
ガタガタと震え出す体。
どうして、どうして“アイツ”がいるんだ―――――――
「凛、向かいに来たよ」