僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
「あ……おはよ」
「おせーっ」
「おはよう彗っ」
リビングに足を踏み入れると、祠稀と有須が起きていてソファーに座って談笑していた。
遅いって……?
不思議に思って壁にかかってある時計を見上げると、少し驚いてしまう。
「……お昼なんだ」
「そーだよ! 凪もまだ起きてこねぇしよー」
「で、でも昨日寝るの遅かったしっ」
特に返答はせずにキッチンへ入ってマグカップを洗う。
……こんなに寝たの久しぶりかも。
でも俺と凪は結局6時過ぎに寝たから……それでも5時間以上は寝てるんだけど、凪にしては凄く珍しいな。
「すーいー、凪起こしてこいよ。早くゲーム買いに行くぞ」
「えぇ!? か、かわいそうだよ!」
「俺は待たせる専門で、待つの嫌いなんだよ」
なんで得意気に言うかな……。
ニヤリと笑う祠稀に呆れながらも手についた水滴を拭って、キッチンから自室へ向かう。先程閉めたばかりのドアを開け、中に入った。