僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
「……凪、朝……昼」
せっかく直した布団を捲りながら床に膝をつき、凪の肩を揺さぶる。
「ああ!? なんで凪が彗の部屋にいんだよ。……お前ら、まさかそういう関係?」
開けっ放しのドアから祠稀と有須が顔を覗かせて、変なことをいう。
俺のベッドで凪が寝てることって、おかしいのかな。
「……そんなんじゃないよ。凪、もう昼」
「……ん〜?」
凪は眉を寄せてからゆっくり目を開けて、俺は時間を口にする。
「昼12時です」
「……、昼……? え!? マジで!?」
ガバッと勢いよく起きた凪は、部屋の入り口に佇む祠稀と有須に気付いた。
「みんな起きてたの!? うっわ、ゴメン! 彗アンタいつ起きたのよ! 起こしてよ!」
「起こしたじゃん……」
「遅いわ!」
「俺もさっき起きたんだもん」
ムッとすると凪は目を丸くさせてから、盛大な溜め息を吐いて俺を見る。
「おはよ……」
いつもと変わらない凪の態度に、俺は笑みを零した。
「おはよう、凪」
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