僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
◆Side:祠稀
「おいおい、なんで凪が彗の部屋で寝てんの?」
俺の二度目の問い掛けに、凪は表情も変えずにけろりと答えた。
「寝つけなくて、彗の部屋に突撃訪問のち語ってた」
……なんだそりゃ。
語って終了? 男と女なのに? ああでもイトコなのか。いやそれでも結局、男と女じゃん。
「ふたりは、付き合ってるわけじゃないの……?」
理解できずにいると有須が疑問を口にし、凪と彗は顔を見合わせて互いに吹き出した。
「……いや、ないでしょ」
「はははっ! あたしと彗はそんなんじゃないよ! 昔からこうだもんね〜、あたしたち」
昔からって……だって6年ぶりの再会っつったら、当時10歳だろ。
何がどうなって高1にもなって小学生の関係続行してんだよ!
「いや、おかしくね?」
そう言うと、彗も凪が「何が?」って顔をするから余計意味が分からなくなる。
すると彗が微笑みながら、凪の乱れた髪を撫でつけた。
「……昔、よくからかわれたよね」
「だねー。なんか姉弟っていうか、双子? お互いがかわいくて仕方ないんだよ。ねっ」
「俺……かわいいいの?」
「え、そこ突っ込む?」