僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
「早く食って準備しろよ。プレステ買ってやんねぇぞ」
「彗早く食べなさい!」
「……炒飯はまだレンジの中だよ?」
「あははっ! もうあったまるよ!」
後ろで騒ぐ凪たちに、思わず頬が緩んだ。
こんな騒がしい朝、実家ではありえない光景だったから。
冗談も笑い声も飛び交うことはなく、夜が明けないでほしいと願うくらい、いつも堅苦しい朝だった。
「……ウケんな」
誰にも聞こえない声で呟く。
朝が来ることを、嫌だと思わない日がくるなんて。
.