僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ

◆Side:有須


「白でしょ!?」

「黒だろ普通!」


お昼を食べてからすぐ、あたしたち4人は大手電化製品店のゲームコーナーに来たのだけど……。


今日の目的であるプレステの色で凪と祠稀がもめていて、あたしと彗は黙って傍観中。


「俺が金払うんだかんな!」

「うーわ! それ言っちゃうんだ? ねぇふたり共っ! 絶対白だよねぇ!?」

「「……どっちでもいいと思う」」


同じことを言うあたしと彗に、凪はしかめっ面。


「はい黒に決定ー」

「えー……」

「……凪、諦めなよ」

「じゃあWiiは白にするべきだよね?」

「買うかアホ!」


祠稀の的確な突っ込みにクスクス笑ってしまう。本当、楽しい人ばっかり。


「もうアホは置いて買ってくるわ」

「誰がアホだ! 勉強はできないけど!」

「……ぷっ」と、隣で彗が吹き出すから思わず見上げると、彗もあたしに気付いて微笑んでくれた。


「どっちもどっちだよね」

「……うん。ふふっ、そうだね」


騒がしくて、明るくて、穏やかな時間。こんな人たちが集まる家に同居人として選ばれたなんて、あたしは幸運すぎる。
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