僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
青息吐息
◆Side:凪
桜の花びらが散り始めた4月某日。
あたし、有須、彗、祠稀は無事高校に入学して、それなりに充実した毎日を送っていた。の、だけど……。
「やめんか日向ぁー!」
────ガシャァン!
ああ……もう……。
「お前っ、今月で何枚ガラス割る気だ!!」
「コイツらが絡んでくるからだろーが。割られたくねぇなら、コイツらに言い聞かせとくんだな。弱ぇ奴が粋がんなって、よっ!」
───ガシャァン!
「夢虹ーっ!!」
「……どっち?」
廊下から響く助けを求める先生の声に、あたしは額を押さえながら溜め息をついた。ついでに呑気にお弁当を頬張る彗にも。
昼休みだってのに……いい天気だってのに……。
あたしは勢いよく席を立ち廊下に出ると、長髪を束ねた後ろ姿へ一直線。