僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
まるで存在を否定するように。
俺なんか、いないみたいに。
俺はね、あんたらと一緒に住んでいた時、生きてる気がしなかったよ。
毎日が苦痛で、朝が嫌いで、いつも下ばかり見ていた。
……俺の居場所なんて、どこにもなかった。
――俺は一体、なんなんだろう。
形はあるはずなのに、分からない。自分がなんのため生きているのか、分からない。
「……っ」
ダメだ。過去なんて、どうでもいいのに。
俺はもう、あそこにいないんだから。
考えることなんてない。悩むことなんてない。悲しむことなんて、ないのに……。
俺を見る、親戚の眼が。
俺を見ていない、人の眼が。
ねっとりと体中に張り付いて、離れない。
消えない。拭えない。
忘れられない、記憶。
幼い俺が言っている。
“……孤独だね”
小さな傷が、増えた。