僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
守りたいもの
◆Side:凪
麗らかな月曜日の朝。時刻は7時半。あたしは自室で携帯を握り締めていた。
電話帳から相手を検索し、発信ボタンを押して耳にあてる。
3回コールが鳴ったあと、発信相手の声が耳に響いた。
大きく息を吸って、言葉を紡ぐ。
「頼みたいことがあるの」
あたしは自分なりに、大切な人を守りたい。
できるだけの攻防を、できるだけ用意して。
きっと今日、再び来るであろうおじさんとおばさんを、最善の準備をして迎え撃つ。
彗が二度と傷つけられることなく、この家にいてくれるなら、あたしはなんだってできると思った。