僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ

渇望故に、崩壊


◆Side:有須



望むものを手に入れることができたなら、幸福が待っている。


そう、思っていた。

そう、願っていた。



喉が渇いたら水を求めるように、


あたしの心は空っぽで、満たすために手に入れたいと、切実に望んでいたの。



手に入れた、はずだった。


幸せになれた、はずだった。





……あたしの願いは、



いつもギリギリで届かない。

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