僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
「……ねむ」
色々思うことはあったけど、眠気がそれを邪魔した。
とか、下手な言い訳しか思いつかないから太陽に背を向けてベランダを出る。
嫌いだ。
太陽も、反射する光も。青い空も、白い雲も。
「くしゅっ……」
……あ?
リビングのソファーに腰掛けると同時に聞こえた、女のくしゃみに眉を寄せる。すると、案の定起きた凪が部屋から出てきた。
「わ……ごめん、起こした?」
俺の姿を確認して驚きながらも、小声で申し訳なさそうに謝る凪は濃い紫色の部屋着を着ていた。
上下繋がっているゆったりとしたオールインワンタイプで、俺もつなぎ買おうかなとかどうでもいいことを考える。