僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


「待ってたよ。有須がメールをくれた時から、ずっと逢いたいと思ってた。もちろん、彗にも祠稀にもね?」


……なぜか、昔からそうなんだ。凪の言葉はいつも、嘘のように胸の奥にストンと落ちる。


「だって同居だよ? 女2人に男2人って。もう絶対楽しくするんだーって決めてたんだから!」

「何それ、決定?」


フッと可笑しそうに笑う祠稀に、凪も笑顔を向ける。


「当ったり前じゃん! 楽しくしなくて他にどうしろってのよ。……だからね、大丈夫だよ有須。絶対楽しいよ? 男ふたりはアホで申し訳ないけど」

「自分を入れ忘れてんぞ」

「……俺アホなの?」


ボソッと言った俺と祠稀をうるさいとばかりに見遣た凪は、再び有須に微笑む。


「ゆっくりでいいよ。些細なことも、嬉しかったことも、悲しかったことも、なんでも話して」

「……はい」

「でーも! 敬語は禁止! タメなんだからっ。あたしたちのことも呼び捨てでいいんだよ。ね!」


白い歯を見せて笑った凪に、有須も口の両端を上げた。
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