僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ

◆Side:祠稀


「はぁ!? それマジで言ってんの?」


4人で買い物を済ませ、帰宅してすぐに夕飯の準備を始めることになったのだが。


「大真面目ですー。当たり前でしょ」


と涼しい顔をする凪に、俺は皿を出しながら唖然とする。


凪が言うに、家事は分担でローテーションするらしい。


「ていうか、最初にメール送った時に言ったじゃん」


いやそうだけど、型通りの挨拶みたいな。形だけのもんかと思うだろ。


だって俺、男だし。


「まさか男だから家事しなくていいかと思った? ありえないから!」


ハンッ!とこれでもかとばかりに偉そうに言う凪に若干イラッとする。図星を衝かれたからなんだけど。


つうか夕飯を作るのに、なんだって4人でキッチンにいなきゃいけねぇんだ。邪魔だろ、明らかに2人は!

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