僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
「……凪コエー。こりゃ俺らコキ使われまくりだな、鬼凪に。なぁ有須」
「そ、そんなことないよっ……! 違うの凪! 急に話しかけられてびっくりしちゃったの! ごめんね!」
俺にイラッとした凪を見て、有須は慌てて弁解をする。そんな有須を見れば凪の心も安らぐってもんだ。
「や、あたしこそごめんね。声デカかったよね」
首を横に振る有須……便利だな。
凪がめんどくさい時は有須を使えばいいなこれ。
「とにかく、家事は分担で毎日ローテーションで決定だから! ……じゃん!」
「「「……」」」
凪が取り出したのはローテーションの早見表。
大きな円は調理、風呂掃除、ゴミ出し、皿洗いと4つに分けてある。
大きな円の真ん中に位置する小さな円には、俺たち4人の名前が書かれていた。
「わあ、それ分かりやすいね!」
……いつの間に作ってどっから出したんだよ。