僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


「……暇人?」

「彗くーん? 怒るよ? ちなみにゴミ出しの人は、リビングの掃除も入ってるからね。皿洗いの人は調理当番の手伝いね」

「お前はなんだってそうテキパキしてんだ」

「祠稀がだらしないだけでしょっ」


一言余計だなほんとに!



早見表をマグネットで冷蔵庫に貼る凪は、予想ではひとりっ子。


実家でも家事を手伝ってたんだろーなとか、簡単に想像がつくから。


……さっきも感じた。有須が自分を変えたいと言った時も。


凪はどこか、風変わりに感じる。

しっかりしてるとか、優しいやつなんだろうとか、ありきたりな言葉ならいくらでも出てくるけど、凪はそういう言葉じゃ言い表わせない気がする。


するだけで、だからなんだってわけじゃないんだけど。


変わってる。不思議な女だと思った。

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