僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
「うわっ! もう2時過ぎてんじゃん」
凪が携帯を開きながら驚いて、壁時計を見上げると深夜2時を過ぎていた。
話に夢中になって気付かなかったな……。
「じゃあ、もう寝ようか?」
凪が淹れてくれたココアを飲み干してから言うと、彗が眠いと訴えるように頷いた。そんな彗の頭を撫でる凪と、受け入れる彗。
「眠かった? 言えばいいのに」
「……んー。まあまあ眠かっただけ」
「何よ、まあまあって」
クスクスおかしそうに笑う凪に、彗はよく微笑むなって、今日1日で何度か感じた。
やっぱりいとこで同い年だから、仲良いのかな? でもそれ以上に、まるで恋人同士みたいにも感じる。
そんな込み入った話はまだ聞けそうにないけど……。
「んじゃ寝ますか!」
すくっと立ち上がった凪に祠稀も続いて、あたしも彗も腰を上げる。
「明日は……ん~。疲れてるだろうし、みんなが起きたら買い物行こうね」
「ナイス凪。あー、やっとベッドで寝れる」
祠稀が背伸びをして、嬉しそうに言う。
あたしのお母さんが帰った後みんなで買い物に行って、祠稀はベッドやテーブル、カーテンにコンポなど色々買っていた。
凪が言うには、祠稀は全部こっちでそろえるみたいで、昨日はソファーで寝たみたい。