【実話】コイウタ・完



あれからどうやって家まで帰ってきたか、覚えてない。




家族のいるリビングには向かわず、自分の部屋に向かって真っ先にベッドに倒れこんだ。





私が帰って来たのに気付いたママの呼んでる声が聞こえたけど返事はしなかった。




『聞こえとるやろー?!佑斗くん来とっと!?』




……。


佑斗…。



今の私は、その名前を聞きたくなかった…。



握り締めたままの携帯を開いて
切っていた電源を入れる。





―新着メールあり―






佑斗じゃないかも知れないのに、メールを開く勇気がなかなか出ない…。



携帯と睨めっこをして、20分。





『もー!!いくじなし!』


そう叫び、メールを開いた…。



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