【実話】コイウタ・完
神奈川の寮に一人で上京してきた時、家族と離れて過ごすのは不安だったけど、初めて自由になれた気がした。
なのに待っていたのは、レッスン尽くしの日々…。
長崎にいる時より厳しくなるって分かってたはずなのに、サボっても叱ってくれる親もいないし…。
学校では…「授業中に寝るな」とか、「携帯出すな」とか先生に言われると逆ギレして無言で席を立ち、扉をバンッとわざと強く閉めて教室を出ていったり…。
そして夜になれば、友達や学校の先輩と、寮を抜け出して遊ぶ楽しさも覚えた…。
張り詰めてた糸がプチッと音をたてて切れた途端…
レッスンにも行かず、
学校にも行かなくなった…。
ただ、ただ…
遊び歩いてた―――。
そんな私だったけど、佑斗と付き合うようになってからは、毎朝佑斗に起こしてもらって学校に行くようになったし、授業もレッスンもまじめに受けるようになった。
佑斗パワーはすごい。
佑斗がいれば、何でも頑張れるんだもん。