【実話】コイウタ・完
こんな喧嘩は、しょっちゅうになった。
今考えると、佑斗は何も間違ってない。
でもこの頃の私は本当におかしかった。
喧嘩するたびに自分を傷つけた。
佑斗を引き止めたい、その一心で…………。
違うの……
寂しいだけなの…
死にたいわけじゃない…傷つけたいわけじゃない…
こうまでしても佑斗に構ってほしかったの…
佑斗が夢に向かって進むのが…
寂しくて苦しいの…
お願い……
私だけを見て…
様子がおかしい私を、家族も、友達もみんな心配してくれていた。
マネージャーさんは時々、
私と佑斗を呼んで話を聞いてくれた。
どうやったらみんなが幸せになれるか、冷静に考えて話し合うために。
なのにある日、あまりに身勝手な私にマネージャーさんはブチ切れ、
ファミレスのド真ん中で、私を怒鳴り上げて帰ってしまったこともあった。
だけど、それでも私は気付かなかった…。
自分のことしか考えてなくて、
おかしいのは自分じゃなく
周りのみんなだと思っていた…。