【実話】コイウタ・完
『ごめん。もうしない…』
腕を切ったあと、いつも私は佑斗に同じことを言う。
『次はないから…』
そう言われても、何回も同じことを繰り返してきた…。
他にも、練習に行こうとする佑斗の前で駅のホームから飛び込もうとしたり…
マンションの屋上に立って、飛び降りて欲しくなければ今すぐ戻ってきて欲しいと電話したり…
死ぬ気なんて全くない。
ただ、佑斗に私だけを見て欲しかった。
そのためなら、感情のまま、思いつくままに、最低なことを繰り返し続けた。
それでも私を見捨てず、別れないでいてくれる佑斗に甘えていた。
行動はエスカレートして…
気持ちはどんどん壊れていって…。
自分でもそれは分かっていた。
だから、今日はこれ以上佑斗を困らせたくなくて、きちんと帰ることにした。
『また、連絡してね…?』
『わかった。またな』
2007年6月28日
でもそれっきり、私は…佑斗の声を聞くことはなかった…。