【実話】コイウタ・完
佑斗の手をとり、二人で歩きだした…。


階段で話してから少し距離が近づいて、恥ずかしさでいっぱいだったのがいつの間にか平気になってた。


『今から行くとこねっ、センター北っていう所なんだけど色んなお店があって、観覧車もあるから楽しいんだよっ☆』


隣に佑斗がいるという事だけで私はウキウキだった。


『楽しみだなっ!』


『うんっ☆』


階段から3分ぐらいの場所にあるバス停からバスに乗り、センター北に向かった。



離す事なく繋がれたままの手が、暖かくて心地よくて…ずっとこのままでもいいや…。


そう思った。


『ずっとこのまま一緒にいたいな。』



佑斗がそうつぶやいた。



同じことを考えてくれたんだと思うと、嬉しかった…。



今日私は、夕方佑斗とバイバイしたあと、家族が住む地元長崎に帰ることになってる。


だから長くは一緒にいられないんだ…。


会ったばかりの時は、そんな事考えたりしなかったのに、時間が経つにつれて考えてしまう…。


佑斗も同じ気持ちなのかな…?


『ここ?すげー!』


センター北に着いて、すぐ大きな観覧車が見えた。


子供みたいにはしゃぐ佑斗が、可愛くて笑えた。
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