【実話】コイウタ・完
会場内を歩き回ってると、何度もライバルとすれ違う。
せあらちゃんも必死に頑張っている。
私も負けじと頑張る…。
『宮脇詩音のデビューシングル「BOY」1枚どうですかー!!?』
スタッフさんも、拡声器を持ちながらお客さんに呼び掛ける。
『本当にいい曲なんです!』
『じゃあ、おもしろいことやってくれたら買うよー!(笑)』
お客さんがふざけて言った。
『おもしろいこと?笑』
『あ!ものまね!』
『うわー、私ものまね苦手なんですよ!』
『そこをなんとか。(笑)』
『じゃあ、初披露のE.T.のものまねやりますよ!(笑)』
お客さんが「BOY」を手に取ってくれるのなら、私は恥ずかしくてもものまねを披露する。
『………(笑)』
『ほらぁ!だから言ったじゃないですか!(笑)』
微妙な笑いに私は、恥ずかしさが半端じゃなかった…
『レアですよ!レア(笑)』
スタッフさんの必死なフォローで嬉しさ半分、恥ずかしさ半分だった…。